[訪問歯科業界インタビュー] 医療法人社団 郁栄会

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訪問歯科業界インタビュー 医療法人社団 郁栄会

医療法人社団 郁栄会

患者さんが安心して過ごせる生活を提案し、患者さんから本当に必要とされる医療を提供していく。
これからの歯科医療を牽引できるような組織を目指して。

名称:医療法人社団 郁栄会
本部所在地:千葉市美浜区高洲四丁目1番9号
      郁栄ビル3階
法人設立年月日:平成3年2月13日
理事長:久保木智之
従業員数:167名

医療法人社団郁栄会の取り組み・使命

まずは、歯科と医科の両方を提供していること。歯科が主体の医療法人で、同法人内に医科クリニックもあるというのは、他には例が無いと思います。
そして、DSヘルスケアグループでは「歯科・医科・介護のワンストップサービス」が提供出来る事が最大の特徴です。(※「DSヘルスケアグループ」とは、基本哲学・理念を共有する医療機関・企業の集まり。患者様・利用者様のニーズの集約、課題の認識・克服を図り、「歯科・医科・介護のワンストップサービス」のグローバル展開、国内普及に貢献することを目的としている)

訪問歯科診療の役割

日本が迎える超高齢社会においては、通院ができない方々が増えてきます。その方々を放って置くわけにはいきません。
逆に寝たきりの方、何かしらの障がいをお持ちで通院が困難な方には、私たちがお伺いするのは当然の事です。
人生を楽しんで、豊かに過ごして頂きたい!そのために私たちが動かなければならないと思っています。そして、歯科が普及することによって、全身の健康の維持・回復に繋がれば、医療費の削減にも大きく貢献することが出来るでしょう。

歯科・医科・介護のワンストップサービス!

歯科・医科・介護のワンストップサービス!を語る訪問歯科診療で伺うある患者さんのお宅では、カレンダーに医科の訪問日や歯科の訪問日、入浴日などが書き込まれていました。私たちもその訪問カレンダーを見ながらお伺いするスケジュールを調整したのですが、もしかして私どもでスケジュール調整をしてあげられれば、ご家族やケアマネジャーの方も楽になるのでは?と思ったのがワンストップサービスを提供したいと思ったきっかけです。患者さんご自身もそうですが、ご家族の方など介護する側の環境を少しでも改善する事が出来ればと思っています。医科の訪問はおおよそ月に2回、2週間に1回のペースです。訪問歯科診療の場合はもっと頻繁に伺います。私たちが細かい全身管理は出来なくても状態のチェックは出来ると思うのです。医科の先生に情報提供が出来ると、より良い医療の提供に繋がります。ドクター間の連携が取れていれば、ご家族も安心できますし、密な信頼関係を築け、医療+αのサービスが提供出来ると考えたのです。

私も歯科医師ですが、全身疾患の知識が完璧にある訳ではありません。診療時にリスクの高い患者さんに関しては、医科の先生に伺う事も多いですから、同じ法人に歯科と医科があるという事は大きな強みとなります。今までですと顔も知らないドクターと手紙のやり取りを行っていましたが、同じ法人に所属していれば、顔を合わせるのも容易ですし、仲間としての連携意識も生まれます。歯科と医科の間にある「心の垣根」を取っ払う事ができるのです。

訪問歯科診療の今後の展望

訪問歯科診療の今後の展望を語る 介護をするご家族に極力度負担がかからない医療・介護システムの構築が大切です。国が在宅を推進するのであれば、家族や介護に携わる人の負担の軽減も考えるべきです。
ご家族は自分が働く時間を削って介護を行っているのが現状だと思います。超高齢社会を支えるための働き手をきちんと確保し、その上で心地よく医療・介護を受けられる仕組みが必要であり、社会の中で医療の果たす役割も大きく変わってくると考えています。
DSヘルスケアグループでは歯科だけではなく、医科・介護の提供も行っていますが、医科や介護との連携や情報提供は、歯援診の要綱からみても今後ますます重要視されてくるのは明らかです。4月からの介護報酬に口腔機能維持管理加算が新設されるなど、医療保険から介護保険への移行は今後も進んでいくことでしょう。医療・介護の垣根を越えて臨んでいく体制を整える事が必要とされます。

訪問歯科診療に求める人材

訪問歯科診療に求める人材を語る 何よりもコミュニケーションが取れる方でしょうか。

訪問の場合は患者さんの家庭に入っていきますから、ご家族と上手くコミュニケーションが取れる力は必須です。また、医師、看護師、ケアマネジャー、ホームヘルパーの方など、歯科以外の多職種とやり取りをし、情報を共有していくので、院内の環境とは少し違います。接遇マナーや人柄がより重要になってきます。患者さんの口腔内も院内にいらっしゃる方とは大きく異なります。摂食・嚥下機能なども勉強していかなくてはなりません。

訪問歯科診療に求める人材を語る

私が卒業した時は訪問歯科診療の知名度はまだ低く、少しずつ取り組が始まっていたと思いますが、今ほど確立しておりませんでした。
卒業してすぐに外来と訪問歯科診療を行いましたが、同級生からは「訪問なんて何するの?」「何で訪問なんかやるの?」と、まるで色もの的な目でみられた経験があります。
ただ、実際に訪問歯科診療を行って、通院出来ない患者さんの現状を目の当たりにすると「診療を受けなかったらこの患者さんは一体どうなってしまうのだろう」などと考えるようになりました。患者さんが望んでいるのは“自分の口から美味しくご飯を食べたい“だったり“家族や友人と笑顔で会話がしたい”などの、人としてごく普通の生活を送ることです。言い換えれば、それすら難しい状況でくらしているのです。そんな患者さんに、私が歯科医療従事者として行える事はたくさんあると確信しました。


人が豊かに生きるための手助けをしたい、という気持ちを持っている方々がもっと訪問歯科診療の分野で活躍してもらえれば嬉しいです。“自分の理想とする医療”をお持ちの歯科医師の先生に仲間になってもらいたいと思っています。また、ご意見も伺いたいです。

この業界を支えるスタッフは“宝”

この業界を支えるスタッフは“宝”と語る 郁栄会では産休制度がありますので、安心して復職が出来る環境が整っています。
歯科衛生士には長く活躍してもらいたいという気持ちから、出産を境に退職するのではなく、産休制度を利用して復職することを奨励しています。
この制度を導入するには同じ職場の歯科衛生士の協力が不可欠です。制度を利用する歯科衛生士は“本当に休めるのか”“復職しても働いていけるのか”などの不安を抱えています。復職後もお子さんが急に体調を壊して病院へ連れて行かなければとか、早めに帰宅する必要があったり、今までのように勤務する事が難しい場合もあります。そのしわ寄せは当然、同じ職場の歯科衛生士の負担となり掛ってきます。ですが、自分が結婚・出産することになったら同じ様に助けてもらえるのです。導入当初は、全てが上手くいった訳ではありませんでした。ここで非常に重要な事は、院長がしっかりと理解して推進していく事です。医院全体で取り組んで行けば、それが医院の、そして法人の文化になるのです。今では当たり前のように産休・復職が浸透して来ました。

スタッフ教育がこれからのカギとなる!

スタッフ教育がこれからのカギとなる!と語る  当法人では様々な学べる環境を設けています。ドクター間の勉強会では、まずは医科の先生との言語を統一して、お互いの認識に差異が生じないようカンファレンスしています。
法人に医科の先生が入って2年程です。歯科医師らの医学的知識を上げるとともに、医科の先生方にも歯科の重要性や口腔ケアの必要性を認識して頂いています。
歯科衛生士に関しては、DSヘルスケアグループ全体で、大規模な勉強会(歯科衛生士会)を3ヶ月に一度実施をしています。会を企画し実行するのは歯科衛生士です。歯科衛生士の業務は歯科医師のお手伝いではなく、同じ患者さんを診る同等の立場です。ですから、歯科医師主催の勉強会であっていけないと思っています。あくまで歯科衛生士主導で行い、同じグループの歯科衛生士に対して“どんな講義が聞きたいか”をリサーチして外部に講師を依頼したり、“患者さんにどんなアプローチをしているのか”などの症例検討会を行っています。DSヘルスケアグループ内で、順番に勉強会を主催する法人を変えています。そうする事で、様々なアイデアが出て、同じ事を毎回繰り返すのではなく、常に新しい要素を吹き込んだ勉強会を続ける事ができています。

訪問歯科診療だから学べる事

訪問歯科診療だから学べる事と語る 院内ですと患者さんとの1対1の関係が主だと思いますが、訪問歯科診療の場合は患者さんの生活の中に入り込み、ご家族とも接していきます。少し大げさかも知れませんが、患者さんの人生そのものを診る事が出来ると思っています。私たちの提供する医療が患者さん一人の喜びで終わるのではなく、ご家族、ご親戚、ケアマネジャーやホームヘルパーの方々にも波及していくのは、私たちにとっても何よりの喜びです。訪問歯科診療を通して患者さん一人ひとりの“生”と向き合い、人が生きるということに深く関わることができます。当然、学びつくす事は出来ませんが、自分たちが出来る事の幅を広げられるように、最大限の努力をしていきたいと思っています。

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